真田丸ケーキの裏話。

26 12月

大河ドラマ「真田丸」で初めて真田丸CGをみたとき、「おおお!」となり、一緒にみていた友達との雑談で感動のあまり「真田丸ケーキつくりたいよね」という話になりました。
真田丸を作るなら、もちろん千田さんの最新研究結果をいれる愛があるものの、一介の絵描きである私には技術がなく。
まずは櫓っぽいおうち作ってみようとしたのですが、一軒も作れませんでした…。

Twitterでこの画像を流したら「チョコペンというものが世の中にはあるんですよ…」という鬼のような数のリプライがありました。
さては皆、バレンタインにチョコレート作ったことがある女子なんだな…。
こちとらパンケーキすら焼けず人様に電話したことあるレベルだよ!

そんな私のツイッター雑談をみていた、友達のチャカさんが「古墳ケーキ」をアレンジしたらどうかといってくれました。(古墳ケーキは検索するとでてきます)
チャカさんはパティシエなのです。(パティシエって男性をあらわすんだっけ…。チャカさんは女性なのでぱてぃしえーる?)
土台はスポンジを焼いて、土は「なんとかクラム」でふかふかさせて、塀と櫓はチョコレート、逆茂木はポッキーとかどうですか?と、お菓子で現実にあるもので表現するアイデアを即日でメールしてくれました。プロはちがう…!

さしあたって、ケーキの絵を実寸でかいてほしいといわれたので、よろこんでうちあわせ用に描いていきました。


ところが、「これではわからない」といわれ(笑)

ケーキをつくる人には、こういう絵のほうがわかりやすいんだそうです。間取り図っていうか設計図…。

漫画屋は全体的なイメージを伝えようとするんですが、ケーキというか建築家の考えることは、重力とか時間とかなのです。
「アイテムをいくつのせるとスポンジの真ん中が沈む」とか「作ってからテーブルに出すまでの時間は何時間なのか、冷蔵庫は確保できるのか」とか「12月末に使えるフルーツ」とか。立体をつくる人って、作品が写真として残ることもあって、見栄えの色や撮影時間もしっているし、最終形態から逆算して頭のなかで組み上がってるのが、すごかった。
絵描きがこの世にないものを描こうとするときって、「ここはこんなんかなー」でかきはじめて、いくつか描いていくうちに「しっくりくる線」が降臨してくるものだと思うんですが、立体をつくる人は「重力」という自然の法則が頭に元からはいっているというのが新鮮でした。


チャカさんがイメージをつたえるためにうちあわせにもってきてくれた、サンプルの塀と櫓。これがサンプルなんだぜ…。

チョコレートの色はミルクかダークか、柱は塗り柱か素柱か、スポンジの高さはどのくらいか(上限は自宅の冷蔵庫の大きさと移動用ケーキ箱の高さ)、旗のサイズ感はこんなんがいいと思うけどどうかなーという。
うちあわせでここまで試案だしてくれるとこ、職人すぎる…!

さて、うちあわせをしていて、一番驚いたのが、私たちの色のイメージ違いでした。真田丸の全体的な色。
チャカさんは「真田丸は土でできているからココアの茶色で全体を覆う」つもりだったそうなんですが、真田丸はようは砂を盛り上げたものなのでベージュというかバニラというか…な色なのです。私はまさか世の中に真田丸を茶色で想像している人がいるとは思っていなかったし、チャカさんのほうもまさかプレーンのアイボリー色とは思っていなかったので、うちあわせって絶対に必要なんだなーと実感。
次に驚いたのが、チョコペンなるもの。
写真の塀におえかきチョコレートで丸というか点がついています。これは、銃を撃つための丸窓を、ためしに描いてもらったんですが、絵描きのイメージと実際のイメージと違ってしまったので、これはやめました。
チョコレートで描くと、線が線ではなく、はみがきこみたいな立体になっちゃうんだなあ。ものすごく勉強になった。

旗をつくるよ!

私は旗をつくる担当になりました。
旗なぞは2秒で描けます。イラレとプリンターがあれば絵描きにこわいものはない。
ようじも、ゲームしながら作れるので楽。
ようじのとんがってる先端はあらかじめ折って捨てておくんだそうです。
とんがっているとスポンジの中にどんどん沈んでしまうからなんですって。さすがプロの意見…!

そして、チャカさんが当日もってきてくれたケーキ。

すごいよね…。ほんともう見た瞬間から言葉がでないんだけど、びっくりしたなあ。

吟味していく!
設計図どおりの3曲輪(くるわ)なのが、本当にありがたい。
苺のエリアが、メイン曲輪でいまの大阪明星学園のグラウンドです。
小さい曲輪は、善福寺のある一角。幸村はこのミニ曲輪を、本曲輪が落ちたときは、ここに詰めて決戦に挑もうとしていたようです。
長い塀のない長方形は、心眼寺などがある一角。この長方形とグラウンドは今はつながっているのですが、当時どうなっていたかわからないのです。
でも長方形の東側にあきらかに堀幅ぽいとこに家が今もたっているので、なにかフリーに使える曲輪だったんだろうなーということになっています。

堀のこと。
この堀は、今も残っていて訪れることができます。
当時はもっと真田丸の盛り土は高かったんじゃないかと推測。
今の真田丸跡で、一番真田丸を感じられるところってここだろうなーと思っています。
堀に落ちて幸村から見下ろされながら死んでいく徳川兵の気分になれるよ…!


櫓のこと。

櫓の数はパーリー参加人数と一緒なので、そこはそういう数です。
実際、櫓や塀がどうなっていたのかはわかっていません。
(櫓が二階建て屋根付きだったのは絵図でわかってるんだけど)

はじにのせてもらったグレーの幸村フィギュアは、六文銭の采配もってるのです。
このフィギュアは、ジオラマ専門ショップみたいなところにいって、数百円でたたき売られているの馬付き武将箱を買ったら、たまたま幸村が入っていたという…。
あとから、この箱は日本で製作していない雑魚フィギュアで、雑魚箱すぎるうえに世の中に二つとないフィギュアだとしりました。
幸村馬鹿である私にお迎えされるべくしてきたうちの守り神(100えん)!
真田丸にのった幸村フィギュアは君だけだよ!

キャンドルや苺のこと。

うちあわせで、苺のあるメインエリアの真ん中はどうするか?という話になって、実際は訓練のためになにもなかったと思うんですが、ケーキなのでそういうわけにもいかず。
そしたら、チャカさんがキャンドルのアイデアをくれました。
カラーものは大人っぽくないので、ゴールドとシルバーのかっこいいタイプのが今はあるよ〜と教えてくれて、即決。
普段からそういうアイテムにアンテナはってるのって、プロだなあと思う。
1だけがゴールドなのは、このキャンドルメーカーが、偶数はシルバー、奇数はゴールドという謎のラインナップをしていたからだそうです。

苺の輪切りを六文銭レイアウトにするアイデアは、現場ででました。
苺を6つ置くという話もでたところで、輪切りのほうが六文銭!ということになり。
キャンドルを急遽後方に後退、誰かが苺を輪切りにするために飛び出していった…。
盛り土まわりに、苺とグリーン(ミントだっけ…)を、神てさばきでチャカさんが配置。
なぜ手早くしたかというと、撮影時間というものがあるのです。

撮影会20分ぐらいもやってたかなあ。
さすがに日が暮れたので、食べよう!ということになり、チャカさんが切ってくれました。
それは刀ですね…?みたいな長いナイフで慣れた手つきで切り分けていた。
中身は、苺のショートケーキにしてもらいました。冬に、しかもクリスマスシーズンに苺って、どう考えてもコストアップですよね。
幸村が大谷さんみたいにホワイトキャラだったなら…!もしくは、秀吉みたいにゴールドとか黄色系とかだったなら…!
チャカさんが「コストダウンならピーチやキウイとか。赤系なら苺ジャムもあり」といってくれました。
ケーキのサイズがクッションぐらいもあるので、コストは絶対にかかるのです。
うちあわせでおそるおそる代金きいたら、ケーキの箱に約1000円、キャンドル4つに約1000円、その他いれて、7000円はかかるとのことでした。これにリアル苺いれたら、苺1パック1000円する12月なんて、合計2万はいくかなーと思ったんですが、やっぱりケーキは美味しいのが生まれてくる条件だろう!と思って、リアル苺でお願いしました。結果1万いかずにおさめてくれた…。多分、いろいろお友達フィーしてくれてるきがする。ううう、幸村のカラーが赤なのがいけない…!それに、このサイズのケーキに苺を全部いれるって、大変だっただろうなあ。ほんとありがとう、チャカさん。
おかげで真っ赤な苺がにあう幸村の真田丸ケーキに出会うことができました。
一生に一度しかこんなケーキ食べられないなあ。2016年はいい年だった。
毎日曜日が楽しかったものなー。
こんな幸せ一年をつくってくれた真田丸と大河「真田丸」に感謝。