二葉亭四迷の帰途体温日記。

21 4月


早稲田大の持ち物を、早稲田中央図書館で公開していて、ぼけーっとみてたら、冊子メモの出陳がありました。
「これ、なんぞ??」と思って、うっかりメモってしまった。

よろっよろの字で、左ページには、Columbo(?calendarかなあと思ったけど、Cは大文字ぽかった)、五月六日「 」の勢無。(5月6日、なんとかの勢いなし)
右ページには、27,April 38.8(10「 」)、38.9(10 「  」)。

キャプションには、帰途体温日記、明治42年、二葉亭四迷とありました。

二葉亭四迷のことは「まだ文アルにはいない」ということしかしらないけど、こんなメモが出陳されてたら、なんか価値があって早稲田は買ったんだろうなあと普通に推測するよねえ。
その場でwikiったら、二葉亭四迷は5月10日にベンガル湾上で亡くなったんだそうです。45歳で……。若!幸村だってもうちょっと長く生きてたよ…!
つまり、5月6日のよろよろした字は、亡くなる4日前の字。

この冊子をみていて、思い出したことが。
昨年93歳で亡くなった祖母が、書いてたのもこんな字でした。
最後まで完全に元気だった祖母なので、今日お風呂入ったとか、おせんべい食べたいとか、眠いとか、寝てるのか起きてるのかわからないみたいなこととか、息子たちにいろいろ書いたりもしてました。
(ただ、息子達にこのノートのことをいわせると「これが真実かどうかはわからない」という(笑)祖母は昔から適当なことをいう人だったと、息子ズ証言)
字は相当よろよろしてるのですが、(たまに読めない字もあったけど)、内容はともかく、死ぬ直前でも、人間はちゃんと字はかけるというのに、けっこう私はびっくりしたのです。

二葉亭四迷の字も、船でよろけてるのか、手がふるえてるのか、寝ながら書いてるのか、へんなとこに、ぴろ〜んとした線がのこってたり、最後の「 )」とか、えんぴつをはらったら、そこでもう体力限界ってかんじで、力が抜けてったんだろうなあというのがわかったり、死ぬ前の字というのは、こういうかんじかーと、人生2例目の誰かが死ぬ直前の字でした。

私もたまに熱がでたり、体調がわるくなると、記録をとることを唯一の自分の「今日やったこと」としてノートにかくんですが、(具合わるいときは動画すら見れなくて、薬を飲むために生きてるかんじになるよね(笑))私も、死ぬ直前はこういう熱とか体調の記録残したいなー。ふたばっちは、突然、熱の数値をアラビア数字でかいたり、漢字でかいたり、英単語をかいてみたり、死ぬギリまで、「まだ自分は英語でなにかかけるか?」に挑戦してる気がする。

なにが書いてあるかは、二葉亭四迷の全集の7巻に活字になって載ってるらしいので、調べるつもりはないのですが、自分の心にとどめておく……。活字になると、きっとこのぎりぎり感は消えちゃってるんだろうなあ。

いつまで下のリンクが生きてるかわかりませんが、早稲田が公開してる手帳の写真。

http://merlot.wul.waseda.ac.jp/sobun/h/hu018/hu018z02.htm

この写真は、私が展覧会でみたページとは違うのですが、字はこんなかんじ。
39度の熱で、船の上って、想像するだに早く陸地にあがりたかっただろうなあ。